(平成23年04月15日)
パンドラの箱が開いた
~地獄の悪魔が顔を出す~

 人類の栄華も長くは続かないのだろうか?
 福島第1原子力発電所の危機的状態が続く中、世界中で原子力発電に対する懐疑の目が厳しくなってきている。

 震災前までは二酸化炭素を出さず、コストも安い究極のクリーンエネルギーとして脚光をあびてきた。
特に、国策として原発を推進してきた政治家をはじめとして、原発企業そして原発推進を擁護する学者、マスコミ等からの心地よい言葉によって、多くの国民意 識の中には原発に対するプラスのイメージだけが刷り込まれ、シャドーの部分である政治家や原発企業の我欲がすっぽりと覆い隠されてしまってきたかのようである。
我々が耳にしてきた心地よい悪魔の囁きは、原子爆弾は戦争のための悪い道具だが、原子力発電は平和のための良い道具なのだから、安心していて良いんだよという声だった。
 しかしながら、平和の利器と言われてきた原発が、自然の猛威により人間の手に負えないどころか、自然の回復力を以ってしても再び人間が住めるようになるまでにはとてつもない長い年月が必要となることが分かった。
 また、最悪の場合はテレビで繰り返し放映されているチェルノブイリやスリーマイル島と同じような復元困難な死の土壌と化してしまうのではないかといった不安も頭をよぎる。
我が国における福島の原発事故は、長崎、広島に落とされた原子爆弾となんら変わることはなく、世界で類を見ない3度目の被爆国となったのである。

 我々人類は、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったのだろうか?
 いろいろな情報が飛び交う中、不安が増幅され、世界中で原発への懐疑の目が鋭くなってきている。 私自身、原発に関しての知識はまったくない門外漢であるが、インターネット上で、原発を取り巻く地球の未来について書かれている情報を見ていると、空恐ろしくなるような恐怖心に襲われ背筋が凍りつくようである。
 私が不安に感じたのは以下の点である。
一つは、原発の燃料であるウランの埋蔵量が後40年しかもたないこと
二つ目は、ウランを再処理して作られるMOX燃料を燃やした後に出る廃棄物は、プルトニウム(地獄の悪魔)よりもさらに強力な放射線と放射熱を出すため、500年間はプールで冷やし続けなければならないとのこと。
 向こう500年もの間、地球上で戦争やテロ、民族紛争がまったく起こらない平和な社会が続き、なおかつ自然災害も起こらないことなど絶対に想定不可能である。
 すぐにでも考えられることは、テロによる原子力発電所の破壊である。 アメリカの9.11の破棄対象はニューヨークのツインタワーだったが、これが原子力発電所だったらと考えるとぞっとする。
三つ目は、ウランの燃えカスの高レベル放射性廃棄物の最終処理場が世界中どこにも存在していないとのことである。

 これらの情報がどこまで正しいのか私には検証する術がないため、できることならフィクションの世界の話で終わって欲しいと切に願うところである。
今、我々はエネルギー問題に対し真剣に考え、真面目に真摯に議論を積み重ねていかなければならないと思う。 原発か、クリーンエネルギーか?
 どうしても電力が足りないのなら、もう少し知恵を働かせ、身の丈にあった生活にすれば良いと思うが、煩悩を抑えるトレーニングなしで、欲望のアクセルを全開で突き進んできた今となっては、軌道修正もなかなか難しいことなのかもしれない。
 しかしながら、これ以上超個人主義のもとで金儲けや便利さを追い続けていったのでは、母なる地球にさらなる犠牲を強いることになり、人類だけが生き残れるはずがないことは誰の目からみても自明のことである。

一人一人の「覚悟」が必要だ。

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